
春の夜に溶けてゆく花よ
私はあなたを見たような気がしたけれど
きっとそれは幻に違いない
私はあなたに触れたような気がしたけれど
きっとそれは夢の中に違いない
いっさいの繋がりはなかったことになり
しかしあなたはそこで輝き続ける
それはなんて目映い光で私を照らすのだろう
そして無力な私を明らかなものにするのだろう
それが現在のあなたの意図なのかどうか
私には確かめるすべがない
ただここにある事実として受け止めることが
私にとって最善のことだと分かっているけれど
あまりにもそれは正しすぎて
もうひとことだけ本当のことを
聞くことはできないだろうかと考えてみる
そうしてそれはあてどない旅で
いつかあなたが行くはずだった場所に
私も辿り着けるのだろうか
春の夜に溶けてゆく花は
何も答えない
そしてただ風に揺れている
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